●【質問】
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【質問】

●Behavior 行動面
「もっとやりたいことは何ですか。もっと減らしたいことはなんですか」
(対処法)セルフモニタリング法。反応妨害法。逆説的戦略法。行動リハーサル法。

●Cognitions 認知面
「どんな考え・意見・態度があなたを良い気分・悪い気分にしますか」
(対処法)認知再構成法。概念修正(読書療法)。思考中止法。

●Affective process 感情面
「もっと経験したいと思う感情は何ですか。経験したくない感情は何ですか」
(対処法)怒りの表現。アサーティブ・トレーニング。腹式呼吸法。感情同定法。

●Images イメージ面
「あなたを困らせる過去・現在・未来の情景はありませんか」
(対処法)脱感作法。肯定的イメージ法。時間投影法。自由連想法。

●Interpersonal relations 対人面
「あなたを悩ませる他の人との問題は何ですか」
(対処法)エンプティ・チェア法。友好関係訓練。時間制限対話法。

●Sensations 感覚面
「心地よい感覚は何ですか。不快な感覚は何ですか」
(対処法)閾値訓練。感覚焦点訓練。フォーカシング。

●Drug & Diet 生理面
「身体の健康についてどんなことを心がけていますか」
(対処法)薬物を段階的に減らす。リラクゼイション法。催眠法。瞑想法。
【出典】アーノルド・ラザラス『マルチモード・アプローチ』二瓶社
【背景】
ラザラスは、行動療法家ウォルピの弟子。
行動療法とは、自分にとって望ましい行動をとりあえずやってみる方法である。
行動が変わると「風景」も変わり、そして初めて「洞察」が起きる。 従来の、まず心の準備をしてから行動が変わることを期待する方法だと、かえって「洞察」 に時間がかかる。行動療法なら効果が出るのが早い。

でも、そのままだと再発率も高い。


ラザラスはそのことに落胆し、認知療法を取り入れた行動療法、つまり認知行動療法を提唱した。
しかし単純な「認知療法+行動療法」ではない。
認知行動療法は、対人関係の技法である。対症療法ではない。 結局「ストレス」とは、対人関係のストレス。 そのストレスをどう受け取るかが「認知」であり、相手にどう働き掛けるかが 「行動」である。入り口と出口。
彼は、7つの側面からそこにアプローチしている。
【目的】
クライエントが、自己の総合的なプロフィールを把握すること。
それぞれの側面が他の側面に影響を与えていると認識してもらう。
包括治療には、それぞれの問題を具体的に修正する必要がある。

たとえば優秀な医者なら、薬物療法を使いながら他の側面の変化にも注意を払うが、 愚かな医者は「薬を変える→感情が明るくなる→薬を減らす→感情が落ち込む→薬を増やす→...」 などという狭い領域のループしか使っていない。