「ビジネスコーチング」

■位置関係
■動機:コーチングを受ける動機
■夢:目標の前提の夢:根幹には手をつけません。
■コーチングのコミュニケーションスキルのみを使っている場合が多いです。
■ひとつ大事なお約束
■ビジネスコーチングの間隔
■ビジネスコーチングとクライアントコーチングの違い
■答えは誰がもつ?
■足し算の原則が問われるビジネスコーチング
■答えは実行者がみつける
■主体の原則
■ビジネスコーチングにおける承認の注意
■リフレーミング

■BOOK COACH


■コーチングのコミュニケーションスキルのみを使っている場合が多いです。
 コミュニケーションスキルの部分はもろてをあげていいことばかりです。ですが、それは「コーチング」ではありません。

 傾聴のスキルやほめるというところをばら売りにして「コーチング」として販売しているトレーナーがいますが、それはコミュニケーションスキルです。「『聞き上手な近所のおばさん』ってコーチなんです」というような言い方は、やわらちゃんのちょんまげヘアを見て、やわらちゃんイコールベッカムなんですといっているようなものです。
 もともとは、カウンセリングの技術です。
 雇用促進事業団で安くもっと良質なコミュニケーションスキルの授業のなかでも受けられます。ゴードン博士の「リーダー訓練法」を親業をやられているかたに教えてもらってもいいでしょう。
 心理的にほめられたりすることは職場の雰囲気も良くなります。無口な上司が、なにかひと声をかけるようになっただけでも、雰囲気は変わります。
 効率も上がるから、ビジネス上は効果抜群です。
 でも、あれはコーチングではありません。コーチングのほんの一部ではあります。
 それは、ビジネスコーチングの場合、効果がなかなかでないということ以前に(長期的にはモチベーションや生産性、収益性をあげるのですが)、上司がアイメセーッジや、傾聴のスキル(オウム返しや要約や、気持ちのうけとめ)を実際の経験をつんでマスターしづらいことが原因のようです。
(そこで、部下の気持ちをある程度はつかめる、ほめるのとアイスブレイクくらいしか身につけないのです)

■ひとつ大事なお約束
 ビジネスの場では部下がへまをしたときに「叱る」のは上司です。ビジネスコーチングが運用されていれば、叱るのはおさえて「その失敗からなにが学べることは?」などと言います。
 クライアントコーチングならば、叱らないのは当然です。そのへまを一緒にへこみ、そのあとで「その失敗からなにが学べることは?」と言います。

 ビジネスコーチングの現場で守られていないために、かえって部下がおいつめられている場合があります。それは「おまえが決めたんだからおまえの責任」という上司の態度です。叱らずに、おいつめます。パワーハラスメントの心理操作版です。かえって悪質です。コーチングの悪用です。
 コーチングに一番大事なEQ、慈愛が抜けて、小技で終わるからそういうことになります。ビジネスだと、そういう感覚はいいかげんで、ごまかしが通用するかもしれませんが、感覚が鋭敏でごまかしが通用しない世界はあります。
 ビジネスコーチングは、部下に主体性を持って決めて実行させますが、「成功は部下のものに、失敗はまかせた上司が責任をとる」のがお約束です。「失敗はひとのせい、成功は自分のおかげ」だと考えるひと多いです。
 そうでないと、やくざの上下関係と同じになってしまいます。逮捕されるのは部下、儲けるのは上司ではしゃれになりません。英語に「カウントオンミー」という言葉があります。勘定にいれていぞとう意味です。これとノブレスオブリージ(高い地位にあるひとには道徳的な責任が必要ということ)がくみあわさって、責任はおれがとるから、きみたちは力いっぱいやれ!でなくてはいけません。

続く

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