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講座6:はげます
ふつうのはげましは「がんばって!」でおわりです。
加山雄三の若大将シリーズでは、ピンチになった加山雄三にヒロインが
「若大将がんばってぇ!」と声援すると、「よぉーし!やるぞー」で挽回というのがパターンでした。
しかし、現実はそのような単純なものではありません。
「がんばれ」と言われたって、「もう、がんばれないよ」だったり、その言葉を言った人の傍観者ぶりに腹がたったり、
「こんなにがんばっているのに」とかえって傷つくケースもあるのです。
コーチングのテキストには、
「ぐらついたときにこそビシッと怒れ」
「ときにはリクエストもします」
とあり、そのテキストをたてに
鬼軍曹化するコーチがいます。
でも、それはコーチングの基本である「クライアントの中に答えがある」を無視したものになりがちです。 、
また、その鬼自体の能力がそのまま 八甲田山の遭難したほうか、到達できたほうかに分かれるわけで、
それを「コーチング」と呼ぶことはできません。また、別なものです。
無責任に相手の背中を押してはいけないときもあるのです。
たしかに、ビシッと怒るとか、リクエストがクライアントのテンションをあげる場合はあります。
でも飽くまでも、それは合意に基づいたセックスみたいなもので、
そこまでの盛りたてがなければ、強姦になってしまうようなものです。
はげますというのは、
クライアントの力を利用した柔(柔道)の技ですとか、
速度の弱まったキックボードにもう一度キックを入れる
ようなもので、
眠っているねこに水をかけて追い出すことでも、
走っている競馬馬のおしりに鞭をふるうこと
でもありません。
(まれに、マゾの感覚があるひとには有効という例外も本当にあります。しかられたくて、やってくるというスタイルです)。
●はげましの言葉について
├◆「大丈夫」:
この使い方は注意しなければいけません。
クライアントの事情もよく把握せずにこの言葉を使うと、「なにを無責任に」と、信頼を損ねます。
逆に、事情をきちんと把握して、大丈夫だと思ったときに「大丈夫」という言葉を使って伝えると、
相手のテンションをあげるなどの効果が期待できます。
├◆「(相手)のおかげで***がうまくいったよ」:
うれしい言葉です。これは概してどのようなケースでも、
相手のテンションをあげる効果があります。
├◆「がんばれ」:
この言葉はやっかいです。
「がんばれ」は「頑なに」「張れ!」ということですから、相手のプレッシャーのことを意識しないといけないのです。
ですから、「がんばれ」という言葉は、いっしょにいるよという意味がのっかっていないと伝わりません。
コーチはクライアントに具体的に手を貸すことは基本的にしませんが、気持ちの上では「いっしょにがんばろう!」という気持ちをのせられる環境にあってこそ、「がんばれ」と言ってよいものだと思います。
├◆「**さんならやれると信じるよ」:
無難だと思います。
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