サナトリウムのイメージ

人はひとでいやされる
未完了
待つ心
ありのまま
ひとそれぞれのペースをみとめる
ハグ
 
環境
 
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「休ませる」

■表面的なとらえ方
●環境

■知的なとらえ方
●ありのまま ひとそれぞれのペースをみとめる
 ◆ひとは愛されていない、必要とされていないと感じるときに傷つく
 ◆ありのままがつらい
●待つ心
●ハグ

■スピリット的なとらえ方
●人はひとでいやされる
●サナトリウムのイメージ
●未完了

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 講座8:休ませる

急ぐことよりもっと大切なもの。
コーチングはクライアントをマイナスの状態から0に、そして、0からプラスの方向に導きます。
そこで、前半に必要なのが、介護カウンセリングなどででてくるところのコミュニケーションスキルであり、後半に必要なのが、経営コンサルなどにでてくるところの問題解決手法です。

ここで、前半にはクライアントの傷をいやしたりの保健室的な役目をするわけですから、「休ませる」というのが基本になるわけです。
このスキルが無ければ、ベッドのない保健室、看護婦さんのいない病院、みたいに なんとなくせかされる感のコーチングになります。
 すると結果、「クライアントの中にあるという答え」を丁寧に読み取ることなく、あわててちがうものをつかんで走り出すというような結果になりかねません。立ち止ってゆっくりと自分を見つめなおす時間が必要だと思いませんか?。


 実際統計を見ても、日中25分程度の休息を取る人と取らない人では、取る人の方が断然一日を通しての仕事のパフォーマンスが高い事が証明されています。また、アスリートは休息を疎かにする事が、結果を左右する事を知っているので、オーバートレーニングを避け、休息(昼寝)、オフシーズンを重要視しています。



 さて、この休ませるには何が必要かというと、これは前の講座にあるところの「信頼」と後の講座にでてくるところの「慈愛」です。
 このふたつはコーチのありかたとしての基本の2本足です。

 慈愛とは、クライアントを愛することです。相手を無条件に受け入れることです。
 愛されて、和やかにならないひとはいませんよね。慈愛はクライアントを穏やかにし、信頼してもらうためのベースを作ります。コーチが愛して、クライアントが信頼する、わけです。
 この2つがそろえば、クライアントは身を投げ出してそこに横たわり休んでくれるということになります。
そこで、明日への活力を取り戻していきます。
 ひとは生育暦といいますが、育ってきた、家庭環境で「信頼」への警戒心の強い、つまりひとを信頼できないというひともいます。また、昨今のアメリカナイズ化された日本において、裏切りや失望やくやしさをかかえてしまい、信頼するための扉をとじてしまったひともいるかもしれません。
 それは、外は冬だと信じて、かたくなに閉ざした扉のようなものです。

では、どうしたら、クライアントを休ませることができるのでしょうか?
それは、まず コーチが休むことです。
 まずコーチが休んで、元気をだしてください。どこからか、エネルギーをもらうということが大事なのです。

 ここで、マザーテレサをイメージしたかたも多いと思います。
 マザーテレサは休んでないんじゃないか?過酷に働いていたじゃないか?と思われると思うのですが、彼女の場合にもまた神様の愛をきちんと受けて満たされている時間があったのだと思います。神の存在などによるエネルギー供給という宗教的な方法です。
 あまり、肉体的に休む イメージにとらわれないほうがいいいかもしれません。

人間は、やっかいなもので、エネルギーの補給がないと、「人間の不幸の平等感原則」がはたらきます。
つまり、「あなたばっかりずるい!」と思ってしまい、「相手を自分の不幸にひきずりこんでしまう」のです。
ですから、自分にとってここちのよいことをして、満たされることが、相手のエネルギーを奪わないためにも必要なのです。

なにかしらで満たされることがありませんと、自分はクライアントのためにやっているつもりでも、クライアントから奪っていることになります。

いずれ、「自分の心の闇はなにかしらにじみ出てしまうもの」と考えたほうがいいと思います。


  手法的には、自分に対してのごほうびを、時間なり・ものなりで与えてみるというのがありますが、 まずは心の灯の本質をきちんと見つけましょう。わたしはケーキで満たされる!と思い込んで、ケーキをそのエネルギー源にするというのは、ちょっと浅はかです。

 休ませるにはどんな事があるのか?
 自分はどんなことに休まりを感じるのか?
を問い掛けてみましょう。

いったい自分は、なにによって満たされているのかを見つめないと、それはわかりません。
 会社から疲れて帰ってきたおとうさんが見る、子どもの寝顔かもしれません。
 なにかをしてあげたときに返る、だれかの笑顔かもしれません。
自分は、いったいなにに休まるのか、それを見つけてください。

ひとは案外、自分を苦しめるものを見つけ、それを何度もむしかえすようにイメージはするものですが、 逆に、自分を休ませてくれるものには目を向けないものです。
ゆっくりと、自分にとってよいものを見つけてください。

見つけたら、アイデアとしてですが、その光景になにか言葉を与えてみてください。
つまり、パブロフの犬みたいに、気持ちの良い環境になにかのしぐさとかきめごとをつけておくと、 その行為だけで環境さもそこにあるように感じることができるようになります。


 たとえば、カレがうちにきたときに、好きなミュージシャンの「YUKI」ちゃんの曲を流していると、 あなたはもうパブロフの犬!「YUKI」ちゃんの曲を聞くだけで、幸せになったりするのです。
イメージで休める環境を疑似的につくることもできるというわけです。

また、往々にしてひとが休まるのはひととひとがつながって休まるということがあります。
ですから、先に話しましたけれど、「ありがとうございます」と言うと、いい気持ちになれます。
(これは、「ありがとうございます」と言ったときの過去の気持ちが呼び起こされるという効果もあるそうですよ)。

行き詰ったとき、自分のこだわりや想いいからいったん離れてみてください。
最後には本当に自分が何をしたいのかということを純粋な気持ちでみつける力をとりもどすことができます。

「休む」ことは緊急度を欠くけれども、後々のことを考えると、絶対に必要な行動なのです。
ですから、まず、あなたが休んでください。

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