■クライアントの状況を把握する
さて、セッションの前半では先方のまわりの状況をきちんとひろいます。それを、書き出します。
9マトリックスに置いて行きます。
この場合、相手(企業)が見えているか、一応見えている、見えてないが目標の欄に、自分(就職者)が見えているか、一応見えている、見えてないが現状の欄に入ります。
中庸がベストではなく、スーペリアがベストなので、一番左上の欄がベストの位置です。
クライアントから出た話を当てはめていきます。
クライアントから話がでなかったら、以下のものをダミーにあてはめて考えてもらいます。
◎夢と現実が違った
◎ライフスタイルとあわない
◎モラトリアム(大学院、フリーター選択)
◎やりたいことがわからない。
◎やりたい職種につけない
◎職業観が違った
◎実力不足
◎将来的なライフデザインとの不一致
◎能力適性に問題
◎性格適性の欠如
◎いいかげんな職種選択
これを9マトリックスの適切な場所に一緒にあてはめていきます。
次にクライアント(就職者)自身がどの状態なのかを見ていきます。
ここで、学生の場合はロールプレイング面接をおこなってみるとよく問題が見えます。
ワークシートの「50字」をひろげて、面接をしてみてください。
●自分をひとことで表すと?
●自分の長所、短所は?
●自己PRをしてください。
◆志望動機
◆将来の希望は
(●=現状、◆=目標 にかかわる設問です)
ここで見るポイントは、答え終わるのにどのくらい時間がかかったか(際右欄に記載)と、ポジティブな向上心やバイタリティが出ているかどうかです。
また、どんな努力をしたかなどのときに、最近のことが話題でないとインパクトはありません(大学生が、高校の時期のことをテーマにしては「古すぎる」のです)。最近得たものの話ができるかどうかです。
目標なのか、現状なのか、プランなのか どこを攻めればいいかが見えます。
自分(就職者)が見えていないというのが多いです。
その状態から移行していく経路は次のような未来が待っています。「やりたいことがわからない」→「いいかげんな職業選択」か。「やりたいことがわからない」→「モラトリアムとしての大学院、海外留学、フリーター、資格セミナー」です。
なんとかもぐりこんだ会社で研修中に退職というケースです。まあ、気づいただけ幸運かもしれません。「こんなはずでは」というのが「人生こんなもん」ということで生きているのが多いのが日本というシステムという現実もあります。
クライアント(就職者)自身がどの状態なのかを見ていきますと、問題はそんなに複雑なものではありません。多くの就職ガイダンスは、そうしたネタばらしをしませんし、大勢に対していっぺんにやるので、実は2時間もかけて、得たのは5分ぶん。でも、なんか安心したかも。。。といものが多いのです。
最近は自分が何をやりたいのか、何ができるのかを会社も就職時に質問してくるのですが、一応の演技で乗り切れたり、また、採用担当セクションに見抜く力がないことも多いのも事実です。
とくに、最近の就職ガイダンスは自分の「捏造指導」が多いのでこまったもんです。面接の時にはピアスをしていなかった男性社員が、新人挨拶の時に「あれ?ピアス。。。」という構図です。
9マトリックスに自分(就職者)を置いてみます。
現状、つまり就職の場合は自分を知るが重点になります。
目標は、就職なので、会社を調べるということが重点になります。
次にプランニングシートに
目標:ポジティブ
目標:リアリティ
現状:ポジティブ
現状:リアリティ
プランニング:行動計画
の5欄をいっしょに考えて行きます。
●目標:ポジティブ
自分が「好き」というフィルターを通して 就職という目標を噛み砕いていきます。つまり、就職が目標ではなく、就職によってあなたになにをもたらすのかを見つめます。
すると、ただ就職するという漠然としたものではなく、職種や会社というもの、さらには自分の生きがいなどが見えてきます。ここでは未来を描いたり、大切なもの、手に入れたいもののセッションが有効です。
●目標:リアリティ
ここは「需要」です。これは、行政がやるところで、くじけがちなひとにはこのリアリティだけをやるとめげてしまいますから、ポジティブとセットでおこなってください。好きでも需要がなければなんともなりません。アメリカ成功哲学を過信しないで現実も見ることです。車は片輪走行では走れません。
●現状:ポジティブ
ここは自分を見ます。好きなこと、好きな言葉のワークシートなどです。
●現状:リアリティ
これは適正や能力を見つめ、第三者からの声ひろいなどをおこなうといいようです。
●プランニング
これは アピールになります:やりたい気持ちの確認がそのままアピール力になります。
志望動機、自己PR,長所、短所(どう克服していきたいか)
のワークシートで見ていきます。いずれ、本音レベルにまでおとしこんでこそコーチングになります。
次に、スケジューリング、書類つくりです。能力開発が必要な場合もあるかもしれません。問題の要因分析にはタロットワークシートが使えます(ほおおっておくとどうなってしまうのかなど)。
クライアント(就職者)自身がどの状態なのかを見ていきますクライアント(就職者)自身がどの状態なのかを見ていきますこういうひとならうまくできそうというひとを見立てて、そのひとのライフスタイルなどを話して見ましょう{なにを食べるの}{そのひとの一日は?}とか。
これら、
目標:ポジティブ
目標:リアリティ
現状:ポジティブ
現状:リアリティ
プランニング
についてのプランニングは上記の案にこだわることなく、車輪ワークシートで自分(=クライナント)なりにバランスのとれた計画をたてながらやってください。上の案は「仮」です。
捏造ではなくて、自分の中にある活火山に気づけ!です。
コーチングの対象は多岐にわたります。
世の中にコミュニケーションや前向きな生き方というものがなくならないかぎり、コーチングは必要なスキルとして使われていきます。
人間生活に会話がなくなり、人間がただ与えられた仕事をするだけで生きていく世界になれば、コーチングは無駄なものになるでしょう。
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