■答えは誰がもつ?
◆現場に答えがある
答えはクライアントが持つというのがコーチングの考えですが、ビジネスコーチングの場合は少しねじれます。ビジネスコーチングの場合、(クライアントの位置にいる)部下に答えがあるように書いてある本がありますがそれは安易です。
では、どこに答えがあるでしょう。「事件は会議室でおきているんじゃない、現場でおきてるんだ!」の踊る捜査線ではありませんが「現場に答えがある」のです。
昔は、そんなに現場に密着しない戦略でもユーザーが文句をいわずに(他になかったこともあり)まにあわせで買っていました。それが、いまはユーザーがわがままになりました。おまけにそのわがままに対応するところがたくさんできてきました。
ユニクロがいろんな色のセーターやシャツを宣伝しますが、以前はこんなに色の選択は消費者はもてませんでした。
つまり、現場でそのわがままな声をひろわないと、とりのこされるのです。「現場に答えがある」、つまり現場で声を聞いてないと対応ができないのです。
マニュアル完備のマクドナルドでもマニュアル離れを施策しはじめたことにも象徴されます。マニュアルを暗記することではなく、現場で臨機応変に対応できるような教育になっています。
◆現場にいるひとが答えをもつ
現場で声を聞いてないと対応ができないということは、逆にいえば、現場に近いほうが答えを出せるということです。
きちんと現場に降りて仕事をやっている上司風間杜夫(仮名)と、現場で遊んでばかりで現場の声をひろっていないばかなバイト後藤真希(仮名)とでは答えをもっているのは上司風間杜夫のほうです。
つまり、部下の現場接触度合を見て、コーチングのアクセルとブレーキを踏んで使わないといけません。
■足し算の原則が問われるビジネスコーチング
コンピテンシーは上司のほうが高くて当然です。でなければ、マネージャーとしている意味がありません。
→『10:質問する』のコンピテンシーと足し算の原則
■答えは実行者がみつける
コーチングは自主性に期待するので、答えを部下にみつけさせないといけません。
部下自身の行動の変容を期待する場合には、テレビ「はじめてのおつかい」のように、実は答えを先回りして置いておくという技も必要です。そのひとの見つけた答えが行動の設計図になります。
指摘しないで見つけさせるのです。面倒ですね。やってられませんね。でも、そうやって「自分のもの」感覚をもたせてあげれば、そこからあとが楽になります。
「自分のもの」感覚をもたせ、見つけさせるというのは、あくまでもその答えは部下の考え出したものでなければいけません。それが自分の考えだと、ただ思わせればいいということではありません。
相手の考えが入っていないと、「すべての話し合いの前に予定した解決策があり、それを力関係で同意をとりつけるもの」と同じです。
ひきだしかたを訓練すれば、足し算のほうがいい考えがでるとを信じてください。
あまり、自分の頭を過大評価しないことです。たとえば、10人ぐらいいる場所で質問だれたら、そこでは関口宏を登場させます。つまり、いろいろVTRを見た後に、関口宏はこう言います「はー、、、。どーですか、、加山(雄三)さん」と。ふるのです。
10人の頭がそこにはあります。利用しましょう。利用した後に、コメントするほうが楽でもあります。
注意: さらに、案外と現場をみていると思っている上司ほど、見てないという現実を忘れてはいけません。
続く
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