■知的なとらえ方
●連想ゲームのように聞く
コーチの聞きかたには2つの聞きかたがあります。つまり、「方向性のある聞きかた」と「拡散的な聞きかた」です。この2つの聞きかたは、見方を変えると、「一部的な聞きかた」と「全般的な聞きかた」でもあります。
未熟なコーチは、方向性のある聞きかたを誘導尋問的なものにしがちで、拡散的な聞きかたを雑談にします。
誘導尋問的なものは、結局未熟なコーチの助言や指示にとなりがちで、クライアントのもつ宝を活かせません。
雑談は、フレンドリーな関係を築く段階には有効ですが、目標達成のためのプランニングのためには無駄な時間となります。
目標達成のために、聞くのに便利なものがワークシート「タロット分析シート」です。つまり、クラインアントがモザイクのようになげかえる言葉でも、それは過去のやってきた実例、それは未来の夢、それは今後の課題、、などとあてはめて書き込んでいくことで、計画のために必要なのに見ていない部分に「**はどうですか」などと問いかけることで問題を明確にしていくことができます。
このワークシートはタロットカードの配置になぞらえています。陰陽五行にせよ、手相にせよ、クライアント(占の場合は客)の問題を整理しながら答えていく長年の知恵があります。
「タロット分析シート」の聞きかたは方向性のある聞きかたと拡散的な聞きかたの折衷方法です。
もうひとつ、クライアントの頭脳を縛らない状態で連想ゲームのように聞くというやりかたがあります。
それを、クライアントの話しを羅列するように書き、それを「タロット分析シート」に後で分析するという方法もあります。しかし、この連想ゲームのように聞くという場合は、問題の整理というよりもクライアントの右脳や直感をフルに働かせるということを目標にしています。
連想ゲームは、頭の体操です。ゴリラ、ラッパ、パラシュート、、、それはしりとりです、ガッツ石松さん。ひとつの言葉から思い出すこと、浮かんだことをどんどんどんどん出すこと、それが大事です。
ここで、コーチがクライアントの夢や目標にまつわる話しを聞くときのベースとなっている考えをお話しします。
小学生の女の子に聞く「好きな男の子」と、大人になるにしたがっての「すきな男の子、男性」は違ってきます。これは、本質的になっているということです。
ハンサムであったりやさしかったりが、人格や本当のやさしさにまで深まっての選択になります。
人間の現実は段階の構造になっています。バウムクーヘンのようになっていて、表面から見えるものと、本質的なものは違います。その中を見てみます。
1: 核にあるのが「本質」です。たとえば、おとなの女性の見れるところの「人格や本当のやさしさにまで見据えた」本質です。
仕事であれば、その仕事によってなにを得たいのかというところです。たとえば「ひとを助けたい」であったりします。
2:そのまわりにあるのが、本質をおそらくはベースにすべき「夢」です。
たとえば、小学生の女の子にとっての「ハンサムであったりやさしかったりの男の子」です。
仕事で言えば、「医者」だったりします。
3:そのまわりを現実というものがとりかこみます。
4:ここで、4つの現れ方の表面ができあがります。
表面から見える人間の現実はとりあえずの目標や仕事、生き方などというものがあります。本当は別な生き方があるのかもしれないと思って毎日を生活していたり、夢がかなっていたりさまざまです。
A:現実との妥協という「とりあえず」です。夢はあります。夢はあるのですが、現実のなかにあっては、とりあえずの形でしか果たせないということもあります。
医者を志しながらも、5浪といったところで、金もない。。。とりあえず、***にという生き方です。
B:「神からの苦労」です。本質にも夢にもそぐわない現実です。これは、なにかを与えようとして神から与えられたものかもしれません。
C:夢が叶う。たとえば、「医者」です。
D:夢の本質が叶う。たとえば「ひとの役に立ちたい」が「カウンセラー」であったりというものです。
ここで、連想ゲームのように聞くというのは、このいちばん核の部分をさぐっていくのに有効な方法なのです。
つまり、自由に出た言葉のなかから共通点やよく出て来る言葉などをひろうことで、本当に求めているものがわかるといったものなのです。
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