■質問→答え→行動
●コーチの提案:助言的な色彩の強い提案
◆提案のとらえかた
クライアントはコーチの提案を参考にできます。
指示はしません。
この2つの言葉は、提案と指示がクライアントにどう向き合っているかを考えれば、ストンと理解できます。
つまり、提案はクライアントと対立しない、指示はクライアントと対立しているということです。
昭和30年から40年代にかけて、テレビ番組には外国文化を紹介する意味で、アメリカのホームコメディが頻繁に放映されていました。そのなかに『パパはなんでも知っている』という番組がありました。
さて、『パパはなんでも知っている』というのはアメリカの当時の概念でしたが、見方を変えるとパパの知恵だけでものごとを乗り切るよりも、子どもやママの協力を得たほうがもっとなんでも知っているになります。
「答えはクライアントがすべて持っている」ですが、クライアントひとりで答えをださなければいけないわけではありません。ことが大きいほどひとりですべての解答をひとりでだすことはできなくなります。
クライアントはコーチの提案を自分に足すこともできますし、排除するのも自由なのです。どっちをとるかで考え綱をひきあうのでなく、たしざんで考えたほうが概してバランス的によいものができます。
◆どう提案するか
提案にはコーチ自身の発想力などが含まれています。
「ちがうやり方があるのでやってみますか?」
「私の考えを話していいですか?」
「**のように考えますが、それについてどのようにあなたは考えますか?」「こんな話しがありますね」とか「経験では」とか「こんなふうな考え方もあるみたいですよ」
など
の言い方をし、提案はNOと言える環境で使われます。
「++したほうがいいですよ」はダメ会話です。
提案する場合は、できるかぎる具体的でクライアントが実行できるものにします。
心理操作の会話の項にあるように、形だけが提案の命令にならないようにします。「**には**をつけたほうがいいんじゃないでしょうか?」と疑問形になってはいるものの、話しの流れ次第では強制的になる場合があります。
無料美容相談にひっかかって、「このタイプのお肌ですと、このファンデーションをお使いになったらいかがでしょうか?」などと、無料のはずがいらないものが付け加えられ、両手に化粧品というシーンがあります。住宅リフォームの現場でもありがちなトークです。SF商法の「はいはい学校」もそうです。健康のためにこの羽毛布団を買え、この健康食品を買えと強制されて買ってはいないように見えて、買わされています。
提案は経営コンサルタントがメニューにコーチングをいれはじめた直後にやりがちなおとし穴、おせっかいです。「**というのはどうでしょう?」「**してはどうでしょう?」とは、極力言わないほうが上質なコーチです。
クラインアントはコーチであけでなく、いろんなひととの出会いのなかで答えをみつけていくほうがよいと思います。ですから、コーチは問題を明確にするだけで、あとはクライアントの人生にまかせてしまうことも大切です。
◆コーチの提案は加工しましょう。
コーチの提案はクライアントの見ている現状とは違います。
クライアントが、使えるように加工しなおして、クライアント独自の計画にしなければ、使えません。そのままやろうとすると、愛着心もわきません。
長続きせず座礁するかもしれません。
◆提案はコミュニケーションをさまたげないか?
ここで、提案はコミュニケーションをさまたげないか?について補足します。
3:傾聴するの「●ピンポーン:聞こうとする心の扉をあける」にあるように、「指示、提案、評価、質問、からかい」も生産的な場合はコミュニケーションをさまたげることはほとんどありません。
※=(^^)
|