■グループエンカウンターの問題点
●そのグループは大丈夫か?
エンカウンターというのは「出会い」を意味します。コーチング研修の中で、よく使われるものに、グループエンカウンター(グループで参加して表現し合う形)があます。たとえばエニアグラムのチェックテストの結果で出る9つのタイプを最初から提示して、この9つのタイプのどれにあなたは見えるかというのを参加者が言い合うというのがあります。
その場合、「グループ、参加者」はイコール「みんな、世間、一般」ではないということを忘れてはいけません。マルチの勧誘の会にうっかり参加してしまったり、みまわしたらそこは新興宗教の集まりだったといったときに、「みんな」に何をいわれようが、それは「世間」ではありません。いつもなら気にかけるべき「行動規範のベース」の世間ではありません。
グループエンカウンターをやるときは、そこに「お互いに本音を出しあえて、こころの触れあいを体験できる環境」をファシリエーター(リーダー)がつくらないといけません。つまり、ほかのひとの思惑や評価から守ってやらないといけません。(あやしい自己啓発セミナーはこのまったく逆で、罵倒と抱きしめ、けなしと受け入れを交互におこない、だんだんエスカレートさせていってマヒさせてしまうのです)。
●その発言者は大丈夫か?
自分は他人の目の中で生きているのも現実ですが、自分の評価をしてもらうということはその観察者ひとりの考えでしかありません。
失業者のための面接力スキルアップ講座などもこの手法を使います。注意してください。まわりにいるのは仲間でしょうが、失業者です。ランダムに抽出してきた『世間』ではありません。
(失業者のための面接力スキルアップ講座:たとえば、自己分析にDPI(職場適応性テスト)で自分を見せ、そこから自分の持ち札を見、SWOT分析により、生きがい、スキル、需要を見ます)。
需要とあるのは、多くは再就職のキャリアカウンセリングのときに誇張されます。ないがしろにできないことではありますが、書き出したスキルそのものに今需要はないことはあっても、本質的にはあなた自身には需要はあります。
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