■知的なとらえ方
●ペース
相手に合わせてコミュニケーションを
呼吸、スピード、抑揚などを合わせることです。
同じ歩幅で歩くようなものです。
◆ペーシングはとれていますか?
ペーシングは広義では「同調する」です。
あいづちやうなずきも私は聞いていますのサインになるので「同調する」のひとつになります。
ですが、ここではまず狭義の、相手の話すスピードや呼吸に合わせるという意味のほうだけを説明します。
「ペース」を安心した感じに合わせると、お互いが安心してコミュニケーションできる環境になります。
「ペース」を意識していたのが、例としては悪いですがヒットラーです。最初は、自信なさそうにもぞもぞと話していき、前列に配置された狂信派とのかけあいでだんだん高揚していき絶叫していくのです。
相手はオーケストラ、自分は指揮者になったつもりで、うまくうまく、リズムをとっていきます。言葉で、「でも、そこでいったいそれが……で、す、よ……、ねぇーーーーー」。
・声の調子をあわせます。
話すテンポです。
相手と同じ調子で話します。音楽にたとえるとわかりやすいでしょう。同じ曲調で話すのです。
あれぐろ♪フォルテ♪フォルテ♪もでらーと♪カンタービレ♪コンエスプレシオーネ♪あんだんてぃーの♪らるご♪
声のトーン、話すスピードです。間も取ります。
ペースを合わせて、私はあなたと同じですよとメッセージを送ります。
*たしか阪神大震災のときのカウンセラーで泣くカウンセラーがいらっしゃいました。被災者はその涙で癒されたということもあります。ハリーポッターの映画にも「涙は癒しの力がある」という台詞がありました。
あるホストは、おとしたい女性からの電話の内容がかわいそうな内容だったので、演技でぐすぐすと鼻をすする「音だけ」だしてました。
・同じ声のトーンで話します。
楽しい時には弾んだ声。悲しんでいるときには声のトーンを落とします。高音は明るく、低音は暗く感じます。恋愛シーンでは、つきあっているときは高音で話すものですが、飽きてくるとド低音になるとか……。
※「それはいいねぇ」「残念だったね」をいろんな声のトーンで言ってみましょう。「楽しい」と言っているつもりなのに、「楽しくない」と伝わっていることがあります。
・話すスピードを意識して話します。
高度になると、うまく相手のテンポをあげたりさげたりできるようさえなります。コツは、ボートを右に左にすこしずつはずみをつけて揺らしていくように。いつのまにか、大揺れで「きゃーやめてぇ!」と……恋愛講座になりますね。
あいづちやうなずきにもスピードがあります。
話のペースにあわせて、あいづちを打つことが大切です。楽しいときには「うん、うん」と小刻みに首をふります。悲しい話では静かにゆっくりとうなずきます。
・間
漫才でも司会でも落語でも「間」があります。
音楽でいう休符は大事です。
・沈黙
沈黙もペーシングのひとつです。
・押しと引き
一本調子ではいけません。
※デートでも、いったん別れて遠ざかった彼女が、駆け足で戻ってきて電話番号を渡すとか、当り前でない味付けは必要です。ただし、奇をてらうと、不安定さを印象づけてしまいます。基本形はナチュラルに、たまにはタバスコです。
続く
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