■スピリット的なとらえ方
●沈黙・ささやき
◆沈黙
沈黙もペーシングのひとつです。
「間」よりも長い、沈黙もこわがってはいけません。こわがる気持ちは罪悪感からでてきますが、考えてください。沈黙は罪ではありません。相手にとっていいことの場合もあるからです。
沈黙があることで初めて、相手に「考える時間」が生まれます。その沈黙を埋めようとする相手に期待します。
また、沈黙は沈黙のままに、「すこし、黙っていますから、ちょっと考えていただけますか」と沈黙を容認してもいいのです。
話しつづけていないとだめなのは「講演」と「ラジオ番組」だけです。
また、コーチにとっては黙って聞く訓練という意味でも沈黙は必要です。
年配者と話してみましょう。話しが長く、どんどん話しがずれていきます。
沈黙を容認しない、つまりは「沈黙に耐えられずにいらいらする」と結局、誘導的な言葉や指示や助言で結論を急ぎたくなるものです。これを克服するには、沈黙に耐える、待つ訓練しかありません。
◆ささやき
「大丈夫だよ」「そばにいますよ」「大好きですよ」「愛しています」
カウンセリング上(※)、クライアントのタイプに合わせた、いろんな段階の対応があります。
▼自発的で柔軟性をもっているならば傾聴技法だけですみます。
▼援助があれば動けるというひとには傾聴を主にして、積極技法は最小限にします。
▼動きがとれるはずなのに解決策を講じられないひとには傾聴と積極技法のバランスをとりながら接します。
▼動きがとれないひとには、積極的に働きかける必要がでてきます。
(※:コーチングはクライアントには通常、精神的な病気のひとを扱いません。良心的なコーチは精神科医やカウンセラーとの受け入れ体制だけはとっています。来てくれたひとを「返す」ということが、病気上なおさらできないからです)
傾聴するのは、カウンセリングでも重要なスキルです。コーチのクライアントは自発的で柔軟性をもっているひとがほとんどで、この傾聴のスキルは必須のものになります。
◆しゃべる=会話ではありません。
最近のひとは聞くということができないひとが多いようです。
子どもが学校から家に帰るや「今日、学校でねぇ!」と言い始めるとおかあさんが「ほら!ドア閉めて、靴そろえて!」と来ます。聞くための時間を作らなくなりました。
会話=しゃべくり、だと誤解しているひともいます。会話はキャッチボールで、しゃべくりは投球です。
このしゃべくり文化がはじまったのはとんねるずが人気急上昇の時期で、ナンパな男性たちは、こぞって当時爆発的に人気だったとんねるずのしゃべくりをぱくって、そのまんまに話していました。ぱくるだけでけっこうもてていたのです。当時はとんねるずは「ネタ」で話していましたから、当時のナンパシーンでの話しをまともに受けると、全国で何万という男がプールにもぐって「消毒薬みーっけ!」を小学校時代やったことになります(その当時は小学生はゴーグルなしのプールでした)。
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